策定プロセス
重要課題の策定プロセス
私たちは創業以来、事業を通じて人と地球に優しい取り組みを、自分たちができることから続けてまいりました。それは図らずも昨今のSDGsムーブメントとシンクロする動きになっています。さらなる社会課題と企業課題の解決する「サステナブル経営」を推進するためには、私たちは「誰のために」「何のために」「どんな想い」で取り組むかという「旗印」となるものが必要でした。そこで2022年8月より「イオン九州マテリアリティ策定プロジェクト」を始動し「マテリアリティ(重要課題)」の明文化に取り組んだのです。
「すべての人が笑顔でいられる社会」を実現するために取り組むべき課題を、下記のような手順で整理しました。
優先課題の策定プロセス
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イオン九州マテリアリティ
策定プロジェクト発足各部門の中堅社員を中心メンバーに、「企業変革」と「人材育成」の観点で計14の部門から1名または2名をプロジェクトに任命。総勢15名のマテリアリティ策定チームを組織し、スタートしました。
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社会・環境課題の整理
優先課題の特定
2022年9月から11月にかけて、全3回のワークショップを行いました。リスク・機会の視点を重視しながら、社会・環境課題の整理と優先課題を特定しました。
ワークショップ-
自部門でのヒアリング、社史の読み込みなどをもとに、これまでの取り組みをSDGs17の目標に関連付けて分類。イオン九州が大切にしてきた価値観が、SDGsおよび持続可能性とつながっていることを確認しました。
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事前課題として担当役員やステークホルダー(生産者・調達先、イオン九州社員、エンドユーザーとして家族・友人)へのインタビューを実施。サプライチェーンにおけるリスクと機会の視点で整理し、SDGsの169のターゲットから優先すべき社会面の課題を抽出しました。
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優先すべき環境面の課題を抽出し、社会・環境面を統合した優先課題を特定。イオン九州がめざす「社会の姿」と「あるべき姿」についてディスカッションを交え、「サステナビリティ宣言」策定に向けた言語化を進めました。
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有識者へのヒアリング
これまでの過程で特定したSDGs優先課題に対して、日本経済論、環境経済学、ウェルビーイングを専門とする九州大学経済学研究院 教授・藤井秀道氏にヒアリングを行いました。(2022年12月8日実施)
有識者コメント取り組みへの評価と課題
九州大学経済学研究院 教授
藤井 秀道氏
持続可能な事業活動を進める上で、縦割りの組織構造は大きな障壁のひとつです。さまざまな部署からメンバーが構成されている点においては、多様な視点からスピード感を持った意思決定を行うことが期待でき、今回策定された「サステナビリティ宣言」を体現した取り組みとなっていると言えます。
本取り組みで抽出した優先課題は企業理念とも整合的であり、課題解決への取り組みが事業活動の成長に貢献することが期待できます。今後は着手しやすい課題から積極的に取り組み、その成果やノウハウを活用する形で、他課題に横展開を進めていただければと思います。そのためには「いきいきと挑戦できる」環境整備が重要な基盤となり、また、社会的インパクト(行動変容)を考慮した情報発信の取り組みも必要となるでしょう。
業界のリーダーとして
イオン九州と言えば、九州でNo. 1の信頼される企業です。顧客満足と従業員の自己実現に向けた企業変革に果敢に挑戦しながら、自社の優先課題やパーパスをステークホルダー全体へ届け、業界のリーダーとして活躍されることを期待しています。
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サステナビリティ宣言の策定
有識者、担当役員、ステークホルダーからのヒアリングも踏まえ、再度プロジェクトチームで解決すべき優先課題や行動目標などをディスカッションすることで整理し、「サステナビリティ宣言」を策定しました。